腰痛防止のために

私は20ぐらいの頃、原付に乗っていて車にひかれたことがある。

私が直進、相手が右折で曲がってきたのだが、朝で相手も急いでいたようで一旦停止を無視、加速ぎみで原付の右斜め後ろに黒いプリウスがドーンと突っ込んできたのだ。当時の私には避けられなかった。

 

左腹に原付のハンドルがめり込み、ウグゥ!!!となった。空地にゴロゴロ転がるわたくし。黒プリウスから出てくる作業着の男。

 

ゲェゲェ言いながらなんとか立ち上がったが、すぐに片膝をつく。男が「救急車よぶぅ?」とクソ面倒くさそうに言った。ここで間違っても「大丈夫です」なんていったら逃げられるのが分かっていたので「呼んでください、すぐに」と言って携帯で車のナンバーを撮影し、また転がった。転がりながら家族に電話した。

 

しばらくして救急車で運ばれた。

冬だったことが幸いして、ケガ自体は知れていた。膝と手のひらを擦りむいた程度だった。他にも腰や首など色々痛んだが「レントゲンなんかいっぱいとるわけにいかんやろ!痛いところは1か所ぐらいに絞ってくれへんか!?」と医者が言った。

 

当時も思ったが、事故で車に追突された生身(原付)の人間が一か所しか痛くないことなんてあるぅ?逆に聞くけどどうやったらそれに収められるわけ?原付にのっとる人間は皆スタントマンなわけ!?と思う。

 

医者はレントゲンをぼんやりながめながら、

 

「あんたぁ~、肥えとってよかったなぁ。その肉布団があったからこんだけ軽傷で済んどんのやで。よかったなぁ~。ただなぁ、朝ごはん食べすぎちゃうか?腸にめっちゃご飯写っとるでぇ。」

 

とデリカシーのかけらもないことを言った。昭和の話ではなく、つい10年ほど前、平成後期の話である。ちなみにこの医者も当時40代ぐらいで、まだ若かった。信じられないことにこれが田舎の藪医者クオリティなのだ。ちなみにその日はヨーグルトしか食ってなかった。

 

 

傷はすぐに癒えたが、予後は悪かった。腰痛がしつこく残ったのだ。

ここからずっと腰痛との付き合いが続く。